2008 Fiscal Year Annual Research Report
末期鎌倉幕府特権的支配層・鎌倉幕府直轄領の総合的研究
Project/Area Number |
19820004
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
清水 亮 Saitama University, 教育学部, 准教授 (90451731)
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Keywords | 末期鎌倉幕府特権的支配層 / 鎌倉幕府直轄領 / 館 / 町場 / 一族結合 / 在地社会 |
Research Abstract |
(1)『鎌倉遺文』による、末期鎌倉幕府特権的支配層の所領検出を終了し、『鎌倉遺文』を素材とした末期鎌倉幕府特権的支配層の所領検出・所領形成の時期・所領の分布について、検討する土台を築き上げた。そして引き続き、『南北朝遺文関東編』や各自治体史によって末期鎌倉幕府特権的支配層の所領データを積み重ねている段階である。 (2)鎌倉幕府直轄領である常陸国真壁荘(現・茨城県桜川市)の現地調査、近世・近代絵図の分析によって、真壁荘地頭真壁氏の海発の具体相と真壁氏の社会的機能を、田地の存在形態と各地に分布する館のあり方を関連づけることによって明らかにした。この成果は、今年発刊される『茨城大学中世史研究』6号に掲載される。 (3)一部が鎌倉幕府直轄領化され、幕府高官の所領が設定された小泉荘において、幕府の政策が地頭色部氏の一族結合にどのような影響を与えたのか、また、色部一族構成員各自による館・町場の掌握のあり方が、色部一族内部の力関係とどのような関係にあったのかを明らかにするため、現地調査、近世・近代史料・絵図の分析と中世の古文書史料との照合を行い、その成果をほぼ論文化している。今年度に補充調査を行い、その成果を今年度末に発表される本学の紀要に掲載する予定である。 (4)鎌倉幕府直轄領薩摩国阿多郡の持体松遺跡を調査した。また阿多郡において外国との交易を担った薩摩平氏と鎌倉幕府権力の関係を明らかにするため、現在、鎌倉期の薩摩平氏関係史料を収集中である。
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Research Products
(3 results)