2007 Fiscal Year Annual Research Report
環オホーツク海・環べーリング海地域における海獣狩猟文化の成立・変容過程の研究
Project/Area Number |
19820008
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 健 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 助教 (20451776)
|
Keywords | 考古学 / 先史学 / 海獣狩猟 / 骨角器 |
Research Abstract |
本研究では、環オホーツク海および環ベーリング海地域を対象として、技術形態学的な分析に、実験考古学的な研究と民族考古学的な調査を組み合わせることによって、先史時代以降展開した海獣狩猟文化の成立・変容のプロセスを解明することを目指している。2007年度は、オホーツク海沿岸では北海道と北千島、ベーリング海沿岸ではアラスカのセント・ローレンス島を主たる対象として資料調査を行なった。北海道内では、道東部(網走・知床・根室地方)と道南部で資料調査を行なった。11月および12月には東京大学において考古学研究室所蔵のアラスカ出土資料および総合研究博物館所蔵の千島出土資料の整理作業を行なった。前者はセント・ローレンス島ククリック遺跡出土資料、後者は明治32年の鳥居龍蔵による千島調査の際の採集・発掘資料が主体を占める。2〜3月には、アラスカ大学博物館においてプヌーク島オクヴィク遺跡出土資料を中心に資料調査を行なった。以上の調査により、筆者がこれまで北海道を中心に行ってきた技術形態学的な研究成果と比較可能な観察データを収集することができた。またアラスカ人類学会において銛頭の破損・再加工プロセスについての研究発表を行い、現地研究者と意見交換を行なった。実験考古学的研究としては、銛頭のレプリカを製作して使用時の運動について基礎的な実験を行なった。トド猟の民族考古学的調査については、2008年秋に実地調査に行なうこととで現地インフォーマントとの調整を進めている。
|