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2007 Fiscal Year Annual Research Report

ウィトゲンシュタイン哲学の成果と限界の検証

Research Project

Project/Area Number 19820012
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

重田 謙  Osaka University, 文学研究科, 助教 (30452402)

Keywordsウィトゲンシュタイン / 実在論 / 独我論(観念論) / 独在性 / 使用 / デカルトの懐疑
Research Abstract

本研究はウィトゲンシュタイン哲学の成果を最大限に活用しながら、実在論と独我論(観念論)の対立に解明を与えることを目指している。具体的には、博士論文(『像の破壊と現出』)で得られた研究成果をさらに深化・発展させた議論に基づいて次の四つのテーゼを厳密かつ明快に論証することをその目標としている。
(1)世界は私が見ている夢ではないこと(=実在論)は論証不可能である。
(2)世界は私が見ている夢であること(=独我論)は論証不可能である。
(1)私たちの認識は、世界は私が見ている夢ではない(=実在論)と信じざるをえない、という仕方で条件づけられている。
私たちの認識は、世界は私が見ている夢である(=独我論)と信じざるをえない、という仕方で条件づけられている。
今年度の論文「独在的な使用と経験的な使用」では、『哲学探究』を批判するテーゼとして導出した[テーゼS](「私たちが自分以外の他の主体の存在を認知する場合、世界において自分とその他者が完全に並列的に存在している、と考えることは不可能である」)と対応するテーゼによって(1)(2)が根拠づけられること、そして、じつは『哲学探究』の議論を徹底することによってそのテーゼを導出できることを示した。
また、国際学会(The XXII World Congress of Philosophy)に現在エントリー中の論文"Dissolving the Skeptical Paradox of Knowledge via Cartesian Skcpticism based on Wittgenstein"では、後期ウィトゲンシュタイン哲学に依拠してデカルト的懐疑を徹底することによってこそ(ある意味で)懐疑論を克服できることを示した。その議論は(1)(1)を根拠づけるものであるが、[テーゼS]と対応するテーゼによる(1)の根拠づけとは水準が異なっている。(1)の根拠づけに複数のレヴェルがあることは当初想定していなかった興味深い事実であり、今後の研究でその含意を解明していきたい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2007

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 独在的な使用と経験的な使用-ウィトゲンシュタイン哲学によるウィトゲンシュタイン哲学批判の試み-2007

    • Author(s)
      重田 謙
    • Journal Title

      待兼山論叢 41号

      Pages: 1-16

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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