2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19820027
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
兼岡 理恵 Tokyo Keizai University, 経済学部, 専任講師 (70453735)
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Keywords | 風土記 / 地誌 / 受容 |
Research Abstract |
本研究は、和銅6(713)年撰進詔により編纂された風土記について、以下の二つの観点から編纂当時の風土記の姿、及び風土記伝来・受容の歴史を明らかにすることを目的とする。 1、風土記本文の復元 13世紀後半成立の『釈日本紀』を中心とした風土記逸文の本文研究により、風土記本文の確定をすすめる。 2、風土記をめぐる知の継承の解明 風土記の受容という観点から、歌学・神道・国学等のサークルにおける、風土記をめぐる知の継承を明らかにする。 本年は前年度に行えなかった写本調査として、大阪府立中之島図書館において、契沖、下河辺長流関係の風土記を中心とした写本調査、また三重・本居宣長記念館における宣長関係、および津市周辺にて谷川士清関係資料の閲覧を行った。また中世歌学・神道関係の基本文献を収集した。さらに前年度以前より進めていた近世中期における風土記受容の研究を進め、その成果を「知の仲介者-菅真静『自叙伝』を中心に-」(『日本文学』第57巻第10号2008・10)として発表した。そしてこれまでの研究成果については、上代文学会・古事記学会合同大会(平成21年5月)、鈴木健一編『近世の知』(森話社平成22年発刊予定)等で発表する予定である。さらに風土記受容研究の基本資料として、調査写本についてのデータベース化を進めている。これらの研究によって、風土記に留まらず当時における知のネットワークが具体的に解明されていくことは必至である。
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Research Products
(1 results)