2007 Fiscal Year Annual Research Report
旅順と沖縄の戦跡を巡る近代日本の国民国家化に関する研究
Project/Area Number |
19820037
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
北村 毅 Waseda University, 付置研究所, 助教 (00454116)
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Keywords | 沖縄 / 旅順 / 沖縄戦 / 日露戦争 / 戦跡 / 国民国家 / ナショナリズム |
Research Abstract |
本研究課題の第一の目的は、研究代表者による、沖縄の戦跡をめぐる研究成果を単著としてまとめることである。さらに、第二の目的として、旅順の戦跡をめぐって、「大日本帝国」が、日露戦争の記憶をどのように有効活用し、近代国民国家を形成していったのか、そのプロセスを検証することが挙げられる。本年度は、これら二つの研究目的の達成に向けた、第一段階と位置づけられる。 本年度においては、研究代表者のこれまでの研究活動の延長である沖縄に関する調査研究と、旅順を対象とした新たに着手される調査研究が並行して進められた。 前者に関しては、平成19年9月、同年10月〜11月、平成20年3月に沖縄において単著の執筆に必要な現地調査を行った。その概要を示すと、沖縄戦の語りの実践や慰霊実践の参与観察、これら関係者への聞き取り、沖縄戦関連の各種イベントへの参加、戦争体験者や遺族の〈戦後〉体験を中心としたオーラル・ヒストリーの採取、公文書や証言記録等の資・史料の収集(於・公文書館、図書館、市町村史編纂室他)などの多岐にわたり、現地関係者とのラポールを築きながら進められた。 後者に関しては、以下のような資・史料の収集を幅広く行った。旅順を中心とした日露戦争の戦跡に関する公文書、ガイドブックや写真資料、各種戦跡訪問(遺族や在郷軍人会の慰霊巡拝、修学旅行、教員や議員等の研修、大学生や知識人等の視察)の事前資料や事後報告、新聞記事、雑誌記事などである。重点的な資料収集は、本年度に行ったが、次年度も継続的に実施する。
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