2008 Fiscal Year Annual Research Report
システムの変遷からみた書記史の研究ー改新と採用の条件ー
Project/Area Number |
19820041
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Research Institution | Shizuoka Eiwa Gakuin University |
Principal Investigator |
加藤 良徳 Shizuoka Eiwa Gakuin University, 人間社会学部・人間社会学科, 准教授 (20434540)
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Keywords | 分かりやすさ / 作文支援 / 作文教育 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、システムの変遷からみた書記史の記述とそのための方法論の開発である。修士論文以降、仮名文書記史について「改新」と「採用」という観点から研究を行ってきている。本研究の2年間では、システムの変遷に必要な条件、特に簡単に根拠として言及されていながらその内実がいまだに明らかにされていない「書記における分かりやすさと権威の問題」に考察を加えることを目的とする。1年目に「権威」の問題を扱ったので、2年目の本年度は「分かりやすさ」の問題について主として考察を行った。 具体的には、「分かりやすく書くとはどういうことなのか」という問題について、大学初年次教育の現場における日本語表現法教育を対象として考察を行った。結果として、以下の3点についての成果が得られた。 (1)「学全入時代をむかえ、学生の基礎力の低下が問題となっている現在、大学で必要とされる能力とはどのようなものなのか、そのような能力をつけるためには初年次教育においてどのようなカリキュラムが必要となるのか、また、諸大学の実践ではどのようなことが行われているのかということについて考察を行った。成果として、勤務校での初年次教育モデルの提案を行うことができた。 (2)「初年次教育における日本語表現法の実践例として、パソコンを使った相互チェック教育の可能性を探った。他大学との共同研究として来年度以降も継続していく。 (3)「留学生用の日本語表現法教科書の作成を行った。台湾版として、現在までに2冊が刊行された。 以上の成果を基に、今後書記史の記述を行っていく。
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