2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19820048
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Research Institution | Kobe Shukugawa Gakuin University |
Principal Investigator |
原 一樹 Kobe Shukugawa Gakuin University, 観光文化学部, 講師 (90454785)
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Keywords | ドゥルーズ / 強度 |
Research Abstract |
本研究は、(1)哲学と自然・社会科学との関係の問題、(2)哲学が社会において果たしている、或いは果たすべき役割の問題、(3)哲学の今後の可能性の問題、という三つの「メタ・哲学的問題関心」を持つ私の長期的研究計画の一部を為すものであり、まずはこの三つの問いに対して大きな示唆を与えると期待されるドゥルーズ哲学の前期主要著作『差異と反復』の内在的理解を推進することを目指している。特に本研究はドゥルーズ独特の「強度」概念の解明に焦点を絞っており、08年1月刊行の『ドゥルーズ/ガタリの現在』(平凡社)に「強度概念再考-その内在的理解の深化に向けて」が掲載された。ドゥルーズは自らの「強度」概念を心理学等の学知に学びつつ、かつ哲学史的系譜を踏まえつつ構築しており、目下の作業としては、ピアジェに代表される心理学理論の方面と、カント・ヘーゲル・ベルクソンらの哲学史的系譜の方面の両方の文献を準備的に読解しつつ、ドゥルーズの「強度」概念を批判的・創造的に解明し展開することを進めている。本年度はこの作業を一つの論文として結実させると同時に、「強度」概念を構成する別の系譜であるラランド・カミュ・メイエルソンの諸言説の読解に移り、更に「強度」概念の広がりと深さを解明する予定である。同時に、私の抱く「メタ・哲学的問題関心」の一つ、「哲学の今後の可能性の問題」に関係して、松永澄夫・東京大学大学院教授とともに「技術の系譜学」に関する共著の準備作業を進める予定である。
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