2007 Fiscal Year Annual Research Report
個人差に対応した学習意欲を高める授業実践ナビゲーション・データベースの開発研究
Project/Area Number |
19820051
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
田中 博晃 Hiroshima International University, 国際交流センター, 講師 (80441575)
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Keywords | 学習意欲 / 個人差要因 / データベース |
Research Abstract |
本年度は学習者の個人差要因の把握と学習意欲を高める授業実践法の確立のための実験研究を行った。調査は大学生を対象に,学習意欲を高める方略を具体化した介入実験を行,介入の前後での学習意欲の変動を調べた。データは量的データに加えて,質的データも収集し,結果を多面的に解釈できるようにした。また従来の介入実験は介入前後の2時点でデータを測定することが多かったが,本調査では学習意欲の中間測定も行い,3時点でのデータ収集を行った。それによって,介入の効果の有無だけでなく,介入が学習段階のどの時点で学習意欲に効果を与えるのかを捉えることが可能になった。また個人差要因の把握として,潜在クラス分析を行うことになって,介入の効果の個人差を把握することが可能になった。従来のクラスター分析等の学習者をプロファイリングする方法は,介入の効果を得る前に群わけを行い,その群わけに基づいて介入効果を検討していた。しかし潜在クラス分析では,介入の効果を加味し群わけが可能となる。 例えば,介入によって有能感が高まることで学習意欲が向上群は,もともと有能感が高いという特徴があるが,逆に,有能感が高くない群には,有能感を高めるような介入は学習意欲の高揚には効果的ではなく,むしろ自律性を高めるような介入が有効である,というような結果を得られる。本年度はこのような介入実験複数行い学習欲高める授業実践法の確立に努めると同時に,個人差要因を加味した介入の効果検討も行い,データベース化に向けた基礎データの収集を中心に行った。
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