2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19820058
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
JAMES Baskind International Research Center for Japanese Studies, 海外研究交流室, 研究員 (50455226)
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Keywords | 小泉八雲 / 井上円了 / 明治思想 / 宗教学 / 科学思想 |
Research Abstract |
19年度は、大切な研究者ネットワークを作り、交付申請書に述べたごとく、学際的かつ総合的なアプローチで幕末や明治の宗教情勢を取り上げ、信仰の全体像、ジャンル形成、宗教、哲学、科学、そして迷信の位置付と交流を検討してきた。特に西洋の哲学や科学思想がどのように「宗教」に取り入れられたか、その文明交流、ジャンル交流を中心として考えた。小泉八雲は、現在、日本の解釈者として非常に知られており、当時(明治20年代)の執筆によって、多くの西洋人にハーン八雲ならではの日本像が伝わり、西洋における日本の表象に多大なる影響を与えた。ハーンの執筆に顕著であるのは、彼の仏教と科学との一致ということあり、これについて、ハーンの作品を読破し、ハーンの曾孫である小泉凡先生という方にお目にかかり、多くのハーン話により多いに新鮮な視点が考慮できた。小泉先生は八雲の最愛の松江におられ、その旅行でハーンが住んだ家を訪問し、文献や展示されていたものを見ることができた。松江に行き、小泉凡先生との対談により多くの刺激を受けた。一方、井上円了の研究進行は、東洋大学の井上円了学術センターを訪れ、資料や情報の収集を行った。20年度な円了の方に集中し、日本宗教、哲学、そして迷信(妖怪)言説への貢献を検討予定である。八雲と円了は、それぞれの流れやアプローチが違うが、仏教、科学思想、そして民間信仰(迷信)という点にふたりの思想が合流しぞおり、明治思潮の重要一面を浮き彫りにしていきたい。
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