2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島先史社会の生業形態再考-民族誌調査による植物考古学研究の基盤形成に向けて
Project/Area Number |
19820059
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
細谷 葵 Research Institute for Humanity and Nature, 研究部, プロジェクト研究員 (40455233)
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Keywords | 先史学(日本) / 文化人類学 / 民族誌調査 / 生業 / 食物の象徴性 / 伝統的農耕 / 貯藏施設 / パプア・ニューギニア:バリ島:奄美大島 |
Research Abstract |
当該年度は、年度前半に他研究費によって行った伝統的稲作社会の民族誌調査を若手研究(スタートアップ)にて継続・発展させることを主目的として、バリ島および奄美大島における現地調査を行った。加えて、平成20年度若手研究(スタートアップ)の主眼となる焼畑社会の民族誌調査に向けて、パプア・ニューギニアにおいて準備調査を実施した。 バリ島現地調査は2008年1月4日〜14日に実施し、伝統的"バリ米"の冬の収穫を視察、調査した。2007年6〜7月には、科学研究費補助金・基盤研究A「東アジアにおける水稲文化の儀礼と景観」(研究代表者・海老澤衷)の分担研究者として夏の収穫を調査していたので、年2回の収穫の双方の調査が完了でき、その総括を論文「コメと倉-バリ島稲作社会の民族考古学調査」として発表した。 奄美大島調査は2007年12月5日〜10日に実施した。イネと並ぶ重要作物として伝統的に水田で栽培されてきたタイモの収穫期に合わせ、日本列島稲作のルーツとも考えられる、南島のイネ・根栽混作の様相を調査できた。イネの収穫期については、2007年6月に総合地球環境学研究所「東アジア内海の新石器化と現代化」プロジェクト経費による現地調査を実施しており、2つの水田作物の収穫についての調査が完遂できた。平成20年度若手研究(スタートアップ)では稲作儀礼の調査を中心に行い、研究の発展を目指す。 パプア・ニューギニア、オーストラリアでの準備調査は、2008年2月8日〜23日に実施した。平成20年度若手スタートアップ研究に向けて、オーストラリア国立大学、パプア・ニューギニア大学において情報収集を行った。また、調査対象地であるミルン・ベイ地方にてノルマンビー島、ドブ島、ヌアカタ島におもむき、現地住民と会合して調査についての合意を得た。 経費については旅費が予想以上にかかったため、他項目に予定されていた予算の一部を旅費に移行させた。
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Research Products
(5 results)