2007 Fiscal Year Annual Research Report
デポジット・リファンド制度の導入における障害の緩和に関する経済学的研究
Project/Area Number |
19830008
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
沼田 大輔 Fukushima University, 経済経営学類, 准教授 (70451664)
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Keywords | デポジット制度 / 負担緩和策の理論的分析 / カリフォルニア現地調査 / 正負の影響のサーベイ / 拡大生産者責任 / 具体像の明示 / 有害廃棄物への適用 / 蛍光管の回収実験の分析 |
Research Abstract |
本研究は、デポジット制度を有効に活用する上での次の2つの障害の克服を目指すものである。第1に、生産者や卸・小売業などの供給側や制度の運営主体の負担が大きいこと、第2に、制度の具体的な姿が必ずしも明らかでないことである。 平成19年度は、上記の第1の障害については、次の2つの観点から検討をおこなった。・デポジット制度における供給側の負担を緩和する政策を考慮に加えたデポジット制度の最適設計について、検討の枠組みを一般均衡に発展させて分析し、新しい知見の獲得を試みた。この分析は、2008年度においても必要な状況である。なお、部分均衡分析をおこなった論文の大幅な改訂もおこなった。 ・アメリカ・カリフォルニア州の環境省においてインタビュー調査、および制度に関わる主体の視察をおこない、カリフォルニア州のデポジット制度における制度運営の実態を詳細に把握した。 上記の第2の障害については、次の3つの観点から検討をおこなった。 ・デポジット制度について経済学の観点から捉えた既存研究をもとに、デポジット制度のもたらす正の影響と負の影響を体系的に整理した論文を作成した。また、デポジット制度を拡大生産者責任の観点から捉えた論文を改訂した。・(独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター 主任研究員の田崎智宏先生と、「デポジット制度の調査・比較研究」と題する共同研究をおこない、海外における有害廃棄物に対するデポジット制度の適用状況の概略、および、重点的に見る必要があると思われる事例において想定されるシステムフローの情報を得た。 ・研究代表者が実施したアメリカにおける鉛バッテリーに対するデポジット制度を念頭に実施された大阪府豊中市における使用済み蛍光管の回収実験について、入手しているデータを詳細に分析し、デポジット制度が使用済み蛍光管の回収などに与える影響を検討した。
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Research Products
(2 results)