2007 Fiscal Year Annual Research Report
条件づけが訓練された文脈に対する動物の認知と行動に関する研究
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19830022
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
井口 善生 Kanazawa University, 人間社会環境研究科, 助教 (20452097)
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Keywords | パブロフ型条件づけ / オペラント条件づけ / 訓練文脈 / 文脈弁別 / 統制感(コンピテンツ) / ラット |
Research Abstract |
本年度は,実験で用いる予定の装置の開発,および実験手続きを遂行するためのWindowsプログラミングを主としておこなった。 [実験装置の開発] スタートボックスと,2つのゴール区画を備えたY迷路(85×70cm)を装置として製作した。2つのゴール区画は,ラットがこれを弁別できるように,側壁の塗装パタンが異なるものにした。これらのゴール区画に音刺激(ノイズ)を呈示するためのスピーカ,取り外し可能なレバー,ラット用食物ペレットを呈示するためのディスペンサ,およびペレットが呈示される餌皿(マガジン)を設置した。 [実験手続きのプログラミング] プログラミングは,VIsal Basic 6.0を用いておこなわれた。具体的な内容は以下のようであった。ある訓練セッションにおいては,ヨークトされた一方のラットをパブロフ文脈に進入させ,同時にもう一方のラットはオペラント文脈に進入させる。この訓練セッションでは両文脈で同時に30秒のノイズを20回(平均刺激間間隔は訓練初期には15秒,学習の完成時には90秒)呈示する。この刺激はパブロフ文脈の中の動物にとってはパブロフ型条件刺激(CS),オペラント文脈の動物にとっては弁別刺激(S^d)として機能する。すなわち,オペラント文脈の動物のノイズS^d呈示中のレバー押しは,変隔(VI)30秒スケジュールで,食物ペレットによって強化される。ノイズS^dが呈示されていない期間のレバー押し行動は強化されない(消去スケジュール;弁別オペラントの訓練)。他方,この被験体にヨークドされているパブロフ文脈のラットは,オペラント文脈のラットが報酬を受けた同時刻に強化され,結果として,ノイズCSと食物ペレットの単純な対呈示を経験する。
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Research Products
(2 results)