2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19830026
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片桐 直人 Kyoto University, 大学院・法学研究科, 助教 (40452312)
|
Keywords | 公法学 / 通貨 / 中央銀行 / 行政法学 / 日本銀行 |
Research Abstract |
本研究は、公法学の観点から、通貨法制を理論化・体系化することを目指している。本年度は当初計画では、(1)文献調査、(2)海外資料調査、(3)研究会の実施を行い、比較法の素材となるドイツの現状について調査をすることとしていた。しかし、日程の都合上、海外調査を行うことができず、その代わりに、(1)の文献調査を20年度の分を前倒しにして、進めることとした。その結果、通貨制度・憲法学に関する基本文献をかなりそろえることができた。とくに、「通貨価値の維持」という規範命題の憲法体系上の位置づけ、通貨の安定のために必要な制度のあり方、とくに中央銀行に関する組織法的な分析について、一定の理論的な分析が終了した。また、(3)の研究会については、1月16日に京都大学において、土井真一京都大学教授をはじめとする憲法学研究者と共に開催し、「通貨価値の保護と憲法」と題する報告を行い、憲法学の立場からの意見提供を受けた。以上の研究成果は、日銀総裁人事の混乱を巡って、日本銀行法の改正も叫ばれる昨今、政策的な意義の非常に大きなものであると思われる。そのため、20年度の早い段階で、論文としてまとめ、早急に公表するべく、準備中である。
|