2007 Fiscal Year Annual Research Report
「テストの専門家」の職業キャリアと大学(院)教育とのレリバンスに関する日米比較
Project/Area Number |
19830028
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 拓也 Kyoto University, 経済研究所, 助教 (40452304)
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Keywords | テストの専門家 / 職業キャリア / 大学院教育 / 大学入学者選抜 / 学力調査 |
Research Abstract |
初年度にあたる平成19年度には、国内の教育学部・教育学研究科の「テストの専門家」養成能力のデータ作成と計量的分析を主に行った。まず、教育測定の専門家が所属しているT大学の卒業論文・修士論文・博士論文の調査と打ち込みを完了した。次に、『全国大学職員録』の教育学部・教育学研究科の資料を収集し、教官の専門分野に関するdata入力を行った。また、それらと平行して、教育職員免許法施行規則第6条の変遷を調査し、国立大学教育学部のシラバスのdata入力と分析を行った。研究成果としては、学力調査や大学入学者選抜で「テストの専門家」がいないことで引き起こされた諸問題を中心に発表した。『教育社会学研究』では、推薦入試拡大のきっかけが統計の誤用・誤読から始まったことや、『クオリティ・エデュケーション』では、例外的に始まった推薦入試が外部基準として期待されていた能研テストの失敗をきっかけに、何の外部基準をも担保しない入試として拡大していったことや、『東北大学高等教育開発推進センター紀要』では、技術の観点から大学入試の歴史を再構築した際に測定技術の専門家である「テストの専門家」の役割の重要性が浮き彫りになったことを発表した。また、高等教育学会では、「テストの専門家」として、対数線形モデルを用いたAO入試に関するアンケート調査の分析を行い、テスト学会では「テストの専門家」によらない入試データの誤用・誤読の結果、浮き彫りになった必要な大学入試制度策定のためのdataについて論じ、教育社会学会では、「合計得点」を巡って繰り広げられた入試開発に関する発表を行って次年度に行う「テストの専門家」についてのアンケート調査とインタビュー調査の基礎作りを行った。
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