2007 Fiscal Year Annual Research Report
イギリスにおける知的障害者継続教育の移行支援機能に関する研究
Project/Area Number |
19830030
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
丸山 啓史 Kyoto University of Education, 教育学部, 講師 (00452368)
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Keywords | 教育学 / 知的障害 / イギリス / 継続教育 |
Research Abstract |
第一に、OECDのCERI(教育研究革新センター)やイギリスのLSC(学習技能委員会)による報告書などの検討を進めることにより、知的障害者の移行支援をめぐる国際的動向を把握するとともに、イギリスにおける移行支援の状況を理解した。イギリスに関しては、知的障害者の移行支援においてコネクションズの役割が重視されてきているものの、実際には十分な役割を果たせてはいないことを知ることができた。また、継続教育カレッジにおける知的障害者の教育とコネクションズ等の連携が図られていること、移行支援においては家族のあり方が大きく影響していることなども把握できた。以上のような文献検討により、平成20年度の研究の視点を得た。 第二に、2008年1月から2月にかけてイングランドに渡り、障害のある青年・成人のためのカレッジおよび一般の継続教育カレッジを訪問し、スタッフへのインタビューを含む調査を行った。それによって、知的障害者継続教育のカリキュラムを具体的に理解するとともに、保育や木工などに関する職業実習などが取り組まれているものの、実際の卒業後の進路については困難が多い状況にあることを把握した。また、政策的な就労移行支援重視の流れとカリキュラムへの影響や、そのことに対するスタッフの評価をうかがうことができた。成果については、平成20年度に雑誌論文として発表する予定であり、イギリスの知的障害者継続教育の状況を日本の関係者で共有することができる。
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