2007 Fiscal Year Annual Research Report
多角化・多層化する高等教育交流の大学運営へのインパクトに関する研究
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19830048
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
渡邊 あや Kumamoto University, 大学教育機能開発総合研究センター, 准教授 (60449105)
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Keywords | 高等教育交流 / フィンランド / 北欧 / 大学 / 国際化 |
Research Abstract |
本研究は、高等教育交流が、大学組織及び管理運営に与える影響を、機会とリスクの観点から実証的に分析することを試みるものである。 本年度は、高等教育交流に関する政策・施策、各高等教育機関の取り組み等をレビューし、フィンランドの高等教育政策の動向、各高等教育機関における高等教育交流及び大学組織運営における実態の把握を行うべく、文献調査及び現地調査を実施した。 その結果、高等教育機関内部の組織については、(1)欧州や北欧といった地域レベルでの高等教育交流の拡大とともに設置が進められた国際交流業務担当部署の位置づけが、「高等教育交流の大衆化」が一段落した2000年前後以降、変化しつつあること、(2)その変化には、主として「普遍化」(国際交流業務が日常業務の一部となった結果、教務関係の部署など、一般的な業務に統合されていく)と「戦略化」(人の交流の増大とともに、国際交流活動の幅が広がる中で、国際化が全学として取り組むべき戦略的な取り組みと認識されるようになり、その組織も学長のもとにおかれるなど、トップダウン型のマネジメントモデルの中枢に位置づけられるようになっていく)という、一見、矛盾するようにも見える傾向がみられることの二点が明らかになった。後者については、大学の管理運営において「成果による運営モデル」が導入されたことにより多くの大学において設置された戦略・計画課(もしくはそれに類するもの)とともに、これまで、フィンランドの大学においてはあまり見られなかったマネジメントにおける「戦略的組織」としての機能を持つものである。 フィンランドの大学は、現在、「財団化」(という呼称が用いられているが、実質は我が国の法人化と同種のもの)に向けて準備が進められており、大学内部の組織に、さらなる変化が起きようとしており、今後は、こうした点についても注目する必要がある。
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Research Products
(3 results)