2008 Fiscal Year Annual Research Report
「政策の拡散」現象の国際政治理論研究:EUの国際制度の視点から
Project/Area Number |
19830066
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
井上 裕司 Nishogakusha University, 国際政治経済学部, 講師 (10453862)
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Keywords | 政治理論 / 国際政治理論 / 政策伝播 / EU / 政策波及 / 国際制度 |
Research Abstract |
国際政治学における政策伝播(poiicy diffusion)について、国際制度の果たす役割に注目しつつ理論化するのが本研究の目的であった。 政策伝播に関する比較政治学の先行研究を詳しくサーベイすると、国内政策伝播においては、強い権限をもつ中央政府・連邦政府がそれを促進していることが指摘されていた。そこで、国内の連邦政府と、国際政治における国際制度を比較することで、国際制度に委任される権限と政策伝播発生との関係ついての理論的な仮説をたてた。国際政治の場合、国内政治とは異なり、国際制度に委任される権限の大きさと政策伝播発生の可能性には単純な比例関係が成立せず、それに関わる諸国家間のパワーの非対称性の程度によって、違った結果が導かれるという仮説である。 この仮説を検証すべく、EUの諸政策と国際制度を事例として分析した。まず、国内及び現地における資料収集を行い、収集した資料を使った質的な検証を行った。これについては既に論文として発表した。EUの域内の国際的政策伝播の因果的なメカニズムに、国際制度が具体的にどのように関わっているのかが明らかになった。実際に、関係する諸国のパワーの格差の大きさが、政策伝播への国際制度の関わりに影響を及ぼしていることがわかった。また、統計的なデータベースも完成しつつあり、それによる量的な検証も今後行う予定である。
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Research Products
(3 results)