2008 Fiscal Year Annual Research Report
日系中堅企業のグローバル市場における持続的競争優位獲得プロセスのモデル化研究
Project/Area Number |
19830075
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
清水 さゆり Waseda University, 商学学術院, 助手 (70445873)
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Keywords | 日系中堅企業 / 持続的競争優位 / 筆記具業界 / グローバル化 / ネットワーク / 産業組織論 |
Research Abstract |
研究最終年度は、本研究課題に関する理論研究および実態調査を中心に研究を進展させた。理論研究においては、既存の大企業を対象とした多国籍企業論や、産業組織論、経営・戦略的視点の研究であるポジショニング論や資源ベース論、また中堅企業を対象とした研究を体系的に整理し、本研究課題に適したモデルの構築を進めた。しかしながら、完全な分析モデルを構築するには至らなかったため、この点については、今後のさらなる研究課題としたい。現時点で適切であると考えられるモデルによって、国内外の企業、とくに製造業を中心に実態を把握し、分析するため、聞き取り調査を行った。 本研究課題の前年度の研究の結果得られた、日系筆記具メーカーの競争優位は技術開発と技術の蓄積、製品開発能力、そして、部品メーカーなどの協力企業やライバルである同業他社との関係性にあるのではないかという仮説を検証しようとさらなる調査を行った、その結果、確かに中価格帯の製品においては、前年度に仮定した結果が得られた。さらに、そのほかにも競争優位をもたらす要因があるのではというさらなる仮説をえた。それは、筆記具メーカーの規模および筆記具業界あるいは筆記具市場の規模、つまり中規模という適正な規模という特性が大きく効いているのではないかという仮説である。すなわち、今後の研究の進展の方向性とは、それぞれの企業の戦略やグローバル経営の実態と競争優位の源泉をさらに明確にすると同時に、業界の特性を解明するという、そのふたつの側面から研究課題にアクセスすることによって、さらなる研究の進展が可能である。
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Research Products
(3 results)