2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19830084
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Research Institution | Gihu University of Medical Science |
Principal Investigator |
八田 武俊 Gihu University of Medical Science, 保健科学部, 講師 (80440585)
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Keywords | 社会系心理学 / 反芻 |
Research Abstract |
反芻は、近年、深刻な問題とされている抑うつを予測するのに有効なパーソナリティ要因として知られており、国外では個人の反芻傾向を測定するための反芻反応尺度(RSS)が開発されている。本研究では、日本語版反芻反応尺度を作成するため、申請者が和訳したRSSの信頼性について確認した。具体的には、200名ほどを対象に1ヶ月の間隔をあけて、RSSを実施した。その結果、信頼性についてはある程度の水準を満たしていた。次に、RSSの構成概念について検討したところ、国外の研究とは異なる結果が得られた。その理由として、RSSの作成時、作成者である国外研究者が構成概念を明示していないことが挙げられる。それゆえ、新たに下位概念を想定する必要がある。 次に、社会的意思決定場面において自己と他者の責任を操作し、さらに反芻傾向を操作してシナリオ研究を行った。シナリオを読んだ直後の回答では、意思決定によって生じたネガティブな結果の責任は決定者に帰属されることが確認された。しかし、後悔情動における決定者の差は見られなかった。また、反芻傾向が高い人は低い人よりもネガティブな出来事の原因を自己に帰属しやすく、後悔していた。数分後の回答でも同様の結果であったが、反芻傾向が強い人は、他者決定の場合、時間経過に伴って後悔情動は減少するのに対して、自己決定の場合では減少しないことや、決定者と回答時期に関わらず反芻傾向が強いはそれが弱い人よりもネガティブな出来事について後悔していた。
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