2007 Fiscal Year Annual Research Report
フェアか? アンフェアか? :組織におけるアシメントリックな対概念
Project/Area Number |
19830089
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Research Institution | Nagoya University of Commerce & Business |
Principal Investigator |
林 洋一郎 Nagoya University of Commerce & Business, 経営学部, 准教授 (70454395)
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Keywords | 公正 / 不公正 / Negativity dominance / ストループ |
Research Abstract |
これまでの組織的公正研究は、公正感(fairness perceptions)という公正さのポジティブな側面に焦点を当ててきた。これに対し、本研究は、従来のポジティブな公正価値だけでなく、不公正感あるいは不公平感といったネガティブな側面に注目したものである。平成19年度は、個人はポジティブな面よりネガティブな面により注意が高まるという仮定に従って、否定的要素の優位性(Negativity Dominance)という機能に関する文献レビューを行った。その結果、個人は、ポジティブよりもネガティブな要素により敏感に反応する傾向が見出されている。例えば、ポジティブよりもネガティブ情報に対する反応時間が短いあるいは前者より後者の情報が記憶として定着しやすいという現象である。これは公正さをヒューリスティックスと見なす従来の理論と一貫するものであり、ヒューリスティックス概念との関連性が示唆された。さらに「公正v.s.不公正」の問題に適用するために、ストループパラダイムに基づいた実験装置を開発した。 次に、独自に不公正感を測定する尺度を探索的に作成した。Colquitt(2001)の4因子モデルに基づき、不公正感を測定する尺度を作成した。これらの因子妥当性や基準関連妥当性を検討するためにこれまでの理論から公正さとの関連が明らかにされている、自尊心、満足感も同時に測定し、尺度の妥当性を検討する予定である。これらの質問紙を大学生に配布し、信頼性や妥当性研究を行う準備を進めている。
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Research Products
(2 results)