2007 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ合衆国の自治体・学区における「学校評価システム」の調査・研究
Project/Area Number |
19830091
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Research Institution | Toho Gakuen University |
Principal Investigator |
成松 美枝 Toho Gakuen University, 人間学部, 講師 (40440812)
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Keywords | 学校評価制度 / 外部評価 / 内部評価 / 教育行政局 / 学校選択制 / 学力テスト / 評価基準 / 教育の機会均等 |
Research Abstract |
・本研究の目的は、アメリカ合衆国の各自治体が導入した「学校評価制度」の方法と評価結果の政策利用のあり方を検討することである。米国においては、連邦政府が「学校評価」に関して、学力テスト結果を外部評価の一環として最重要視してその利用を推進している。本件級では、そうした連邦政府の施策に対して州の各学区がいかなる理念の下に「学区内の評価システム」を構築しているのかに関する事例を収集して、「学校評価」のあり方に関して総合的な分析を行い、学区主導の「学校評価システム」のあり方を究明することを目的とした。 ・また、日本における「学校評価の実態」と推進課題を踏まえて、米国連邦政府の推進する「落ちこぼしをつくらない(No Child left Behind)法」に基づく「学校評価」の実態を調査し、「評価結果」の政策利用に関する勧告に対する、「学校選択制」の施策との関連性を明らかにする。 ・本研究・調査の事例対象として、平成19年度中に現地での視察調査を実施したのは以下の3学区である。 事例1:ミルウォーキー市公立学校区(Milwaukee Public Schools in Wisconsin) 事例2:ケンブリッジ市公立学校区(Cambridge Public Schools in Massachusetts) 事例3:デザート・サント統一学校区(Desert Sand Unified School District in California) 3学区では、は州の統一学力テスト成績などの「標準学力テスト結果」を重視した『外部評価』のみが重視されていたが、特にミルウォーキー市学区は2000年代前半までに実施していた『内部評価』としての各学校の目標と独自の基準設定に基づく評価体制が、学区内の評価制度から除外されていた。教育行政局の委員らは、統一した「基準(criteria)」による達成度の明確化を指適した。 ・さらに、州の学力テストに関する作成過程の「内容基準(Content standard)の設定」と、学力テスト実施後の「評価基準(Achievement Standard)」の設定に関して、いかなる手順と学区内の合意を得てその基準を設定しているのか聴き取り調査を実施した。 ・「学校評価」制度の政策利用に関して、評価で「失敗している学校」と判断された学校に対して各学区はいかなる改善への「矯正措置(Corrective Action)」及び「制裁措置(Sanction)」を実施しているのか、学校改善計画の実施の方法を特に、その指導・助言と、財政支援のあり方を中心に調査を進めた。
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