2008 Fiscal Year Annual Research Report
活動的な高齢者におけるセルフ・エフィカシーの縦断研究
Project/Area Number |
19830104
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
九十九 綾子 Kansai University of Welfare Sciences, 社会福祉学部・社会福祉学科, 講師 (10454654)
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Keywords | 高齢者 / セルフ・エフィカシー / 縦断研究 |
Research Abstract |
本研究では,活動的な高齢者のセルフ・エフィカシー及びその関連要因について縦断研究を実施することにより,高齢者のセルフ・エフィカシーの維持・向上の要因を明らかにし,高齢者福祉実践における基礎的研究に資することを目的としている。 活動的な高齢者として高齢者大学の在籍者を対象とした調査の結果,一般的セルフ・エフィカシーについて1年後に変化はみられなかったが,対人的セルフ・エフィカシーの向上がみられた(九十九,2007)。さらに関連要因として,近所づきあいや友人との交流,外出といった個人的活動が増加し,生活に対する満足感も高まる傾向がみられた。この結果では,一般的セルフ・エフィカシーの変化がみられなかったが,対人的セルフ・エフィカシーの向上がみられているため,今後一般的セルフ・エフィカシーも変化する可能性があり,さらに経年による変化を追う必要があると考えられる。 また,在宅高齢者を対象としたこれまでの縦断研究では,加齢に伴いセルフ・エフィカシーが低下すると報告されており(Woodward et al., 1987; Mendes et al., 1996; McAway et al., 1996),先の調査結果とは異なっている。このため,高齢者大学に在籍する高齢者については経年データを収集することによって,さらなる検討が必要と考えられる。 そこで,本研究では高齢者大学に在籍する高齢者を対象として,その特定的セルフ・エフィカシーが経年に従ってその向上が顕著にみられ,その後,一般的セルフ・エフィカシーの向上もみられるようになるとの仮説を立て,それを明らかにすることを具体的課題とした。 2年間にわたり調査を実施後,データ入力を終え,経年データについて分析した。
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