2008 Fiscal Year Annual Research Report
中学校社会科における地理情報システムを活用した教材開発
Project/Area Number |
19830105
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Research Institution | Eichi University |
Principal Investigator |
本多 千明 Eichi University, 人間文化共生学部, 准教授 (20454697)
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Keywords | 地理的技能 / マルチメディア / 教材開発 / 教科教育学 / 地理情報システム / 社会科 |
Research Abstract |
本研究は、中学校社会科における地理情報システムを活用した教材開発を行うことを目的として行った。地理情報システム(GIS:Geographic Information System)は、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術である。コンピュータやインターネット、携帯電話の技術進歩や低廉化により、さまざまなメディアをより手軽かつ高度に利用できる環境を活用し、学習内容と共に、地理的技能の体系的な習得を目指した。新学習指導要領社会科の地理的分野では、「教科用図書「地図」を十分に活用すること。また、地域に関する情報の収集、処理に当たっては、コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的に活用するなどの工夫をすること」と規定されている。そこで、このような社会的要因を背景に教育現場で活用できるマルチメディアを活用した教材開発を行った。 本研究では、マルチメディアの活用を通して、知識だけでなく地理的技能も含めて体系的に習得できる授業づくりを試みた。地図学習の指導と同様に、情報活用能力を育成する指導も、体系的に行われるべきである。知識と技能を組み合わせたカリキュラムは、アメリカの社会科では一般的な内容構成であるが、日本の社会科カリキュラムは、はっきりと明示されていない。今後の課題としては、情報活用能力の育成を念頭においた、中学校地理教育における系統性を明示したカリキュラムの作成や、地理を系統的に学習するために、小・中・高の一貫カリキュラムの構築が挙げられる。
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