2007 Fiscal Year Annual Research Report
重層的な社会関係資本に対する幹員通信技術利用の社会的帰結に関する研究
Project/Area Number |
19830122
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
小林 哲郎 National Institute of Informatics, 情報社会相関研究系, 助教 (60455194)
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Keywords | 社会心理学 / 政治学 / 社会学 / 社会関係資本 / 情報通信技術 / マクロ指標 |
Research Abstract |
平成19年度は、平成20年度に実施予定の社会調査のベースとなる資料の収集を行い、基本なデータ分析の準備を行った。まず、社会関係資本の指標として利用可能なマクロ指標は、さまざまな統計調査で測定されているため所在が分散しており、体系立てて収集する必要があるため、これらの資料を収集した。主に体系的に収集した資料は、(1)朝日新聞社「民力調査」と、(2)NHK放送文化研究所「国民生活時間調査」である。これらの調査データは時系列データとなっているため、社会関係資本のマクロ指標の時系列的変遷を分析しておくことで、平成20年度に実施予定の社会調査の地点選定のために利用できる。 まず、これらの資料は1990年代以前のものは電子化されていない場合が多いため、紙媒体資料からの入力作業を行った。特に、NHK放送文化研究所「国民生活時間調査」は世界的に見ても貴重な時間単位・行為者率単位でのデータの変遷が得られるため、社会関係資本に関連する指標を電子データ化した。採用した指標は交際、会話、仕事の付き合い、社会参加などの社会的相互作用に関する変数と、新聞・テレビ(およびインターネット)といったメディア利用に関する変数である。特に、本課題は情報通信技術利用と社会関係資本の関連に着目しているため、新聞やテレビといった従来型のマスメディア利用と社会関係資本の関連を時系列的に検討することは重要である。こうしたマクロ指標は全国単位、都道府県単位に分けて整理され、さらに性別や年代、職業などの基本的な社会属性ごとにブレークダウンしたデータも入力した。測定方法の変更などがあるため、完全な形での時系列の変化を追うことは難しいが、社会関係資本の地理的な分布とその変化について分析することで、平成20年度に実施予定の社会調査の準備態勢を整えた。
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