2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19840005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木田 良才 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (90451517)
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Keywords | 離散群 / 測度同値 / 軌道同値 |
Research Abstract |
平成20年度は、前年度に引き続き、離散群による標準確率空間上の保測で本質的に自由な作用に関する剛性を研究しだ。一般に二つの離散群が与えられたとき、それらの融合積は、その普遍的性質のため、測度論的に剛的になるどは限らない。離散群が測度論的に剛的であるとは、その任意の確率空間上の作用からできる軌道空間が、その作用に関する情報を全て覚えているときをいう。このような剛性をもっ離散群を発見することは、測度同値理論の中でも、多くの研究者を引きつける話題である。私は、測度論的に剛的な二つの離散群からできる融合積で、再び測度論的に剛的になるようなものを構成する方法を発見した。高階単純リー群の格子部分群は測度論的に剛的であることがすでに知られているため、そのような格子部分群からできる融合積で剛的なものを多く構成することができた。「研究の目的」、「研究実施計画」における、半単純リー群の格子部分群の剛性は、それらによる融合積が再び剛性を持つということを示す上で重要な役割を果たす。これまで得られている剛的な離散群は、リー群の格子部分群や曲面の写像類群といった、非常に自然な離散群ばかりであったが、本研究における融合積による構成は極めて人工的なものであり、このことは今まで見られなかった現象である。今後も、剛的な離散群の人工的構成法が現れることが期待される。また、そのような剛的な融合積は、位相群の格子部分群としての非自明な表現を持たないことも示すことができる。
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Research Products
(5 results)