2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19840008
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉川 耕司 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (70451672)
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Keywords | 銀河団 / 銀河間物質 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
平成20年度は、前年度に開発したダークマターとバリオンの自己重力及びバリオンの流体力学と同時に、重元素を含むイオンの非平衡電離状態と電子-イオン間の熱的緩和過程を整合的に解くシミュレーションコードをもちいて、様々な質量比・インパクトパラメータ・相対速度をもつ衝突条件の衝突銀河団について、銀河団内部に存在する銀河団ガスのイオンと電子間の熱的緩和過程と重元素の電離状態を研究した。その結果、衝突の初期には銀河団の外縁部においてマッハ数1.5程度の衝撃波が発生し、その後銀河団のコア同士が衝突する段階では銀河団中心部にマッハ数2程度の衝撃波が発生することが分かった。また、これらの衝撃波の個所において鉄のイオンは電離平衡状態にはなく、イオン・電子間の熱的緩和過程としてクーロン散乱だけを考慮するとイオンと電子の温度が異なる2温度状態になることが分かった。更に、鉄のイオンの輝線強度比を計算すると衝突面に対して垂直方向から観測する場合は輝線強度比は観測可能なレベルであるのに対して、衝突面に垂直な方向から30度以上傾いた角度からは射影の効果により輝線強度比はそれほど大きくならないことが分かった。 また、宇宙の大規模構造におけるバリオンの非平衡電離状態・2温度状態を計算するシミュレーションコードを開発し、ダークバリオンの候補とされるWarm-Hot Intergalactic Mediumでの重元素の電離状態を調べる研究を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Suzaku broad-band spectroscopy of RX J1347.5-1145: constraints on the extremely hot gas and non-thermal emission2008
Author(s)
Ota, N., Murase, K., Kitayama, T., Ko matsu, E. Hattori, M., Matsuo, H., Oshima, T., Suto, Y., Yoshikawa, K
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Journal Title
Astronomy & Astrophysics 491
Pages: 363-377
Peer Reviewed
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