2007 Fiscal Year Annual Research Report
星間物質の物理・化学進化過程の解明と「あかり」分光データ解析手法の開発
Project/Area Number |
19840011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
左近 樹 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 助教
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Keywords | あかり衛星 / 波長透過率測定実験 / 近・中間赤外線分光 / データ解析手法開発 |
Research Abstract |
「あかり」赤外線天文衛星搭載の近・中間赤外カメラの分光データ解析処理に必要な補正項目をあらゆる取得データをもとに洗い出し、その詳細な評価を行なった。特に、拡がった天体のスリット分光データの解析手法、及び、複雑な背景分光画像中から天体の分光データを精度よく得るための解析手法の開発を行なった。その結果、特に、複雑な背景下にある天体の近・中間赤外スリットレス分光データにおいて、その処理のために必要な評価(アパーチャーマスクの形状、スリット効率、0次光、2次光の特性、1次光の透過率特性、point spread functionの波長依存性等の評価)を完了し、背景成分に起因する分光パターンを再現するソフトウェアーの開発に成功した。これらの成果については、Sakon et al.2008,SPIE,7010,88,"Data reduction techniques for slit and slit-less spectr oscopy of diffuse emission with the Infrared Camera onboard AKARI"で報告した。同時に近赤外分光データについても、背景分光パターンの差し引きのために必要な評価(アパーチャーマスクの形状、スリット効率、0次光、2次光の特性、1次光の透過率特性、point spread functionの波長依存性等の評価)を完了し、近赤外スリットレス分光において、より精度良い分光データを抽出するソフトウェアーの開発を行った。特に、あかり衛星がHeを使い切って以降(phase-3)の状態における波長透過率特性を含む各項目の再評価を行い、あかり衛星の現在も継続しているphase-3missionにおいて、中心的に取得される分光データのデータ処理に対して、極めて有効な手法として適応されることが可能になった。
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