2007 Fiscal Year Annual Research Report
ガウス型量子状態の多モード・高精度制御の実現に向けた研究
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19840018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米澤 英宏 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (50451802)
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Keywords | スクイーズド光 / 連続量量子情報処理 / ガウス型量子状態 |
Research Abstract |
本研究の目標は光のガウス型量子状態の多モード・高精度制御の実現であり、そのために高レベルのスクイーズド状態の多モード生成、系全体の機械的安定性の追求、系の簡略化へ向けた要素技術開発、さらに多くの箇所の位相制御を同時に行うためのディジタル制御法の確立などを目指している。その中で当該年度の成果について以下に述べる。多モードの光の量子状態を精度よく処理するためには、光の相対位相の制御法を確立する必要があり、そのために系全体の機械的安定性の追求を行った。具体的には、光学系における空気の揺らぎや音による振動を抑制するため光学定盤全体を風防で覆い、その効果を検証した。その結果、空気の揺らぎを劇的に軽減させることに成功した。これにより多モード制御の実現に大きく前進したといえる。また、多モードの位相制御を効率的に行うためのディジタル制御に関しても研究を行った。特に、ディジタル制御を用いた量子状態制御であるアダプティブ測定に関し研究を行った。これらの研究が効率的な多モード制御の実現につながると考えられる。また、高レベルなスクイーズド状態を多モード同時に生成するため、これまでとは異なったモノリシック光パラメトリック発振器を設計した。これは、非線形結晶(PPKTP)自体を共振器とするため、コンパクトかつ非常にロスの小さな構成が可能となり、高レベルのスクイーズド光を多数同時に生成するために非常に有用と考えられる。当該年度のこれらの成果を元に、引き続き研究を行うことで、光のガウス型状態の多モード・高精度制御の実現に近づくと期待できる。
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Research Products
(10 results)