2008 Fiscal Year Annual Research Report
ガウス型量子状態の多モード・高精度制御の実現に向けた研究
Project/Area Number |
19840018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米澤 英宏 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特任講師 (50451802)
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Keywords | スクイーズド光 / 連続量量子情報処理 / ガウス型量子状態 |
Research Abstract |
本研究は、光のガウス型量子状態の多モード・高精度制御の実現を目的としている。すなわち、高レベルのスクイーズド光を同時に多モード生成し、さらにそれを如何に制御するか、ということが本研究の課題である。当該年度は主に、(1)モノリシックPPKTPによるスクイーズド光生成実験、及び(2)コヒーレント光のアダプティブホモダイン測定に関する実験を行い、幾つかの成果を得た。まず、(1)について述べる。高レベルのスクイーズド光の生成はこれまで、ミラー4つからなる光共振器中に非線形結晶PPKTPを配置した、光パラメトリック発振器を用いて行われてきた。本実験では、非線形結晶の両端を球面研磨し、さらにミラー処理を施したモノリシックPPKTP結晶を用いてスクイーズド光の生成実験を行った。モノリシックPPKTPでは、結晶自体を共振器とするため、非常にコンパクトかつ低い内部ロスが実現でき、高レベルかつ多モードのスクイーズド光を生成するのに非常に有用と考えられる。しかし、実験的にはどのようにして位相整合条件と共振条件を同時に満たすかという課題があった。本実験では温度制御で、この2つの条件を同時に達成し、-6dB程度のスクイーズド光の生成に成功した。(2)のコヒーレント光のアダプティブホモダイン測定は、光の位相をホモダイン測定とフィードバック制御により推定するものである。当初の予定ではディジタル制御を導入する予定であったが、今回はアナログ回路を用いたアナログ制御により実験を行った。この実験では、フィードバック制御を用いることで、光の位相推定精度が通常用いられるデュアルホモダイン測定の方法よりも良くなる事を実証した。当該年度のこれらの成果は、光のガウス型量子状態の多モード・高精度制御の実現に向けて重要な成果であると言える。
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[Presentation] Broadband Quantum Teleportation2008
Author(s)
N. Lee, Y. Takeno, H. Yonezawa, J. Webb, E. Huntington and A. Furusawa
Organizer
The 4th Asia Pacific Conference in Quantum Information Science
Place of Presentation
Cairns
Year and Date
2008-07-03
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