2008 Fiscal Year Annual Research Report
サンゴの閉鎖系飼育システムの開発とその骨格を用いた環境指標の高精度化
Project/Area Number |
19840020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 麻夕里 The University of Tokyo, 海洋研究所, 助教 (20451891)
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Keywords | サンゴ / 光 / 飼育実験 / 骨格 / 微量元素 / 環境指標 |
Research Abstract |
熱帯〜亜熱帯の浅海域に生息するサンゴは炭酸カルシウムからなる外骨格を形成しながら成長し、その骨格には章節の違いを反映した年輪が形成される。サンゴ骨格中の酸素同位体比(δ^<18>O)やストロンチウム/カルシウム比(Sr/Ca)、マグネシウム/カルシウム比(Mg/Ca)は海水温のよい指標としてこれまで測定されており、産業革命以降の海水温の上昇やエル・ニーニョ現象などに関連した気候変動が多数報告されている。しかしその一方で、δ^<18>O、Sr/Ca比ともにサンゴ骨格の成長速度という生物学的パラメータに依存している可能性が指摘されており、海洋環境が正確に記録されていない可能性が懸念されている。 そこで本研究では光制御飼育実験を行った。光制御飼育実験では、光量変化に伴う骨格成長が群体により異なっており、必ずしも光が骨格成長を律速しているわけではないことが示唆された。また、骨格中の元素変動については、骨格成長量が小さいほど元素・カルシウム比のばらつきが大きく、成長量が大きくなるにつれて値が安定する傾向が見られ、特にSr/Ca比において顕著であった。骨格成長量と元素変動の関係は、Mg/Ca比については骨格成長と正の相関、U/Ca比については明瞭な逆相関関係が認められた。一方、光強度と元素・カルシウム比については、いずれの元素においても明瞭な関係は見られなかった。 Sr/Ca比は光量の違いによって変動しないことから、温度指標としての信頼性が高いことが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Reconstruction of the East China Sea palaecoenvironment at 16 ka by comparison of fossil and modern Faviidae corals from the Ryukyus, southwestern Japan2009
Author(s)
Mishima, M., Kawahata, H., Suzuki, A., Inoue, M., Okai, T. and Omura, A.
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Journal Title
Journal of Quaternary Science
Pages: DOI:10.1002/jps.1268
Peer Reviewed
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