2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19840026
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
K・R Mavani Kyoto University, 物質一細胞統合システム拠点, 特定研究員(WPI) (10452260)
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Keywords | 強相関電子系 / マルチフェロイック / テラヘルツ分光 / ラマン分光 |
Research Abstract |
マルチフェロイクスのスピネル,CoCr_2O_4,は強磁性転移が95K付近で生じ、またこれより低い温度において強誘電転移で触発された磁気的スピンスパイラルが強くなることが知られている。そこでMgO(100)基板上にレーザーパルスによってエピタキシャル成長させたCoCr_2O_4薄膜を作成し、透過配置でのテラヘルツ時間領域分光法行うことによって複素光学定数の温度依存を調べた。これまでのCoCr_2O_4の低周波誘電率測定では誘電率強磁性転移点で顕著な誘電率変化が見られなかったのだが、テラヘルツ時間領域分光法による強磁性オーダーの温度で劇的な変化をテラヘルツ領域の誘電率で始めて観測した。低温でもこのような誘電異常を観測しており、これは50K付近で見られる短距離の磁気的スピンスパイラルの兆候に対応しており、25K付近のこれらのスピンスパイラルの長距離秩序化に対応している。これらの温度依存性はエレクトロマグノンに依存しており、我々の仕事はマルチフェロイックのスピネルの中では初めて大きな磁性から誘電性への移行をテラヘルツ領域で観測したことを意味している。 また800nmポンプTHz光プローブの実験装置の構築を行い、Pr_<0.5>Sr_<0.5>MnO_3薄膜においてポンププローブ分光を行った。その結果、他のMn酸化物では見られないような光学伝導度の減少を観測した。ピコ秒の時間スケールでの応答は強い温度依存性を示しており、光誘起電荷のダイナミクスを強く反映している。
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