2008 Fiscal Year Annual Research Report
不定値計量をもつ空間内の空間的曲面とその特異点の研究
Project/Area Number |
19840035
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
藤森 祥一 Fukuoka University of Education, 教育学部, 准教授 (00452706)
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Keywords | 極小曲面 / 平均曲率一定曲面 / 極大曲面 / 特異点 / 不定値計量 |
Research Abstract |
1. Matthias Weber氏と共同で,3重周期をもつ極小曲面に関する研究を行った.曲面のガウス写像をヤコビのテータ関数で記述することで,古典的な例を周期問題を考えずに構成することができ,また周期問題を考えることで新たな例も構成することができた. 2. Francisco J. Lopez氏と共同で,ミンコフスキー空間内の向き付け不可能な空間的極大曲面とその特異点に関する研究を行った.このような曲面は,ガウス写像の写像度が必ず偶数になるという著しい性質をもつことを証明し,このことを用いて,ガウス写像の写像度が小さい場合の曲面の分類を行った.メビウスの帯と同相は極大曲面や,クラインの壺から1点を除いたものと同相な曲面も具体的に構成した. 3. Wayne Rossman,梅原雅顕,山田光太郎, Seong-Deog Yang各氏と共同で,ドジッター空間内の平均曲率1をもつ空間的曲面とその特異点に関する研究を行った.特に3つの端をもつ曲面の分類を行った.また,ミンコフスキー空間内の空間的極大曲面を変形させる理論を開発し,これを用いて2つの端と任意の種数をもつ例を構成した. 4. Wayne Rossman氏と共同で,双曲空間内の平均曲率1をもつ曲面に関する研究を行った.Rossman氏と佐藤勝憲氏によって得られていた2つの端をもつ種数1の例を改良して,任意の種数で2つの端をもつ曲面が存在することを示唆し,実際に種数が20以下の曲面をコンピュータによる数値解析を用いて構成した.また,同様の方法で,ドジッター空間内の平均曲率1をもつ曲面も構成した.
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