2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19840036
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
瀬片 純市 Fukuoka University of Education, 教育学部, 准教授 (90432822)
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Keywords | 関数方程式論 / 数理物理学 / 漸近解析 / 調和解析 / 流体 |
Research Abstract |
平成20年度は,平成19年度に引き続き非線形分散型方程式の解の長時間挙動について,調和解析的手法を用いて研究を行なった.具体的には4階非線形シュレディンガー型方程式の線形化方程式の解の挙動について解析を行なった. これまでは線形項が未知関数の時間1階偏導関数と空間4階偏導関数のみからなる場合の線形分散型方程式の解の性質を調べてきたが,今年度は上記の線形方程式にさらに空間2階偏導関数が加わった場合の線形分散型方程式の解の長時間挙動の解析を行なった.この方程式は3次元非圧縮非粘性流体中の渦糸運動の高次近似モデルを解析する際に現れる.この方程式を解析する場合,空間4階偏導関数の項と2階偏導関数の項がどのように影響を及ぼしあうか?ということを調べる必要があるが,われわれは解の表示式で現れる振動積分の停留点の近くの挙動を詳しく解析することによりこの方程式の解の長時間挙動を得ることができた. 今年度得られた線形化方程式の解に対する漸近公式を用いることにより,4階非線形シュレディンガー型方程式の解の漸近形を形式的に求めることができた.しかしながらこの結果を数学的に正当化するためには非線形項に含まれる微分項の処理をしなければならない. 今後はこの問題の解決方法を模索し4階非線形シュレディンガー型方程式の解の長時間挙動に対する数学的理論を構築していきたい.
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Research Products
(1 results)