2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19840039
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
津田 照久 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 助教 (00452730)
|
Keywords | パンルヴェ方程式 / 可積分系 |
Research Abstract |
本年度は主に、ワイル群の双有理変換による表現の代数幾何的な構成と離散パンルヴェ方程式についての研究を行った。 パンルヴェ方程式の一つの起源にある種の曲面上のアフィンワイル群の双有理表現がある。以前に、研究代表者は、曲面とは限らない、高次元のある有理代数多様体に擬正則写像として作用するワイル群の双有理表現を構成した。この設定では、対応するルート系は曲面の場合と比べて、より一般なものを扱える上、特に対称なアフィン型の場合をすべて網羅していることが大きな特色である。ルート系がアフィン型の場合、離散可積分系として興味ある対象である高階q-パンルヴェ方程式が導かれるが、今年度の新たな成果として、その力学系の次数増大度が高々2次であることを証明した。考えている有理代数多様体の(コ)ホモロジー群へのワイル群の作用を交差理論を用いて計算することが証明の主な部分である。またq-差分ではなく加法的な離散パンルヴェ方程式に関連して、T字型のディンキン図形を持つワイル群の双有理作用と(その高さに対応する)タウ関数を構成した。 フィボナッチ数列の満たす4項間漸化式を2次元離散力学系("フィボナッチ力学系")と看做して考察した。フィボナッチ力学系の相空間を構成し、そのホモロジーへの線形作用を求めた。その応用として、力学系の次数増大度からふたたびフィボチッチ数列が現れる現象を証明した。
|