2007 Fiscal Year Annual Research Report
Auger計画による最高エネルギー宇宙線のエネルギースペクトラムの解析
Project/Area Number |
19840049
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
山本 常夏 Konan University, 理工学部, 准教授 (40454722)
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Keywords | 宇宙線 / 高エネルギー / 宇宙観測 / 最高エネルギー宇宙線 / 多国籍 / エネルギースペクトラム / 国際共同実験 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本計画では国際共同研究Pierre Auger計画に参加し最高エネルギー宇宙線のエネルギースペクトラムを測定した。Pierre Auger計画は17カ国300人以上の科学者からなる国際共同実験で、世界最大の宇宙線観測所を建設し10の20乗電子ボルト以上のエネルギーを待った最高エネルギー宇宙線の起源を特定する計画である。アルゼンチンの草原3000平方kmの領域に1600個の検出器を並べ高エネルギー宇宙線が大気中で生成する2次粒子を検出する。さらに宇宙線が大気中で発する光を望遠鏡を使い測定している。これらのデータから宇宙線の到来方向分布やエネルギースペクトラムを求め、その起源と伝搬過程を研究する。本計画ではこのAuger計画に参加し、特に観測データを解析しエネルギースペクトラムを求めた。データを格納するハードでィスクとCPUを購入、整備し暫定的な解析システムを構築した。19年度はちょうどメキシコで行われた宇宙線国際会議で測定結果を発表することになっており、エネルギー決定とその不定性評価の解析を集中的に行った。その結果10の19.5乗電子ボルト付近のスペクトラムに折れ曲がりがあることが確認された。この折れ曲がりは宇宙線が銀河系外の光子場を伝搬中にエネルギーを失いできた可能性と、宇宙線生成場所での加速限界による可能性がある。この結果は本計画代表によって7月に行われた宇宙線国際会議で発表された。現在Physical Review Letter Dにこの結果を投稿中である。
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