2008 Fiscal Year Annual Research Report
Auger計画による最高エネルギー宇宙線スペクトラム解析
Project/Area Number |
19840049
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
山本 常夏 Konan University, 理工学部, 准教授 (40454722)
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Keywords | 宇宙線 / 高エネルギー / 宇宙観測 / 国際共同実験 |
Research Abstract |
本計画ではPierre Auger計画に参加し、最高エネルギー宇宙線のエネルギースペクトルを測定した。Pierre Auger計画は17ヶ国300人以上の科学者からなる国際共同実験で、世界最大の宇宙線観測所を建設し、10の19乗電子ボルト以上のエネルギーを持つ最高エネルギー宇宙線の起源を特定する計画である。アルゼンチンの草原3000平方kmの領域に1600個の検出器を並べ、高エネルギー宇宙線が大気中で生成する2次粒子を検出する。さらに宇宙線が大気中で発する光を望遠鏡により測定している。これらのデータから宇宙線の到来方向分布やエネルギースペクトルを求め、その起源と伝搬過程を研究する。本計画ではこのAuger計画に参加し、特に観測データを解析しエネルギースペクトルを求めた。データを格納するハードディスクとCPUを購入、整備し解析システムを構築した。データの転送から初期解析まで1日に一回自動的に行っている。初期解析の結果は一日の観測結果としてe-mailを通じグループ内に配信している。この初期解析を元に7年分の観測データを使い宇宙線のエネルギーを求めた。この結果宇宙線のスペクトルは10の18.5乗eV付近と19.5乗eV付近に折れ曲がりがあることが確認された。この結果により、40年以上にわたり様々な宇宙線実験の間で論争になっていた宇宙線スペクトルの最大エネルギーに一応の決着がついた。このスペクトルの構造は宇宙線が銀河間空間を伝搬中に宇宙背景放射と相互作用をした結果であるとも、宇宙線が発生した領域のスペクトルを反映しているとも解釈できる。
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Research Products
(11 results)