2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19840050
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
柘植 直樹 Hiroshima Institute of Technology, 情報学部, 講師 (30449897)
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Keywords | 流体 / 圧縮性オイラー方程式 / 偏微分方程式 / 重力 / 減衰評価 / 保存則 / 差分法 |
Research Abstract |
本研究では圧縮性オイラー方程式および半導体方程式の流体力学モデルを研究し、以下の結果を得た。 1.重力項のある圧縮性オイラー方程式の球対称解の時間大域解の存在 重力項のある圧縮性オイラー方程式に対して、固体球の外部での球対称解の時間大域的存在を示した。これは星の周りでの非粘性気体の運動を表す。この問題に関しては、等温の場合を除いて時間大域解の存在は知られていないと思われる。本存在定理は、初期値の無限遠方にのみ制限を加えて証明される。例えば、初期値がcompact supportを持てば、任意の有界な関数を初期値として与えることができる。また、本定理はいくつかの定常解を含む事ができ、その中にはcompact supportを持たないものも含まれている。 問題となるのは、近似解の有界評価を導出することである。これを解決するため、前年度の研究でおこなった近似解を用いた。 2.圧縮性オイラー方程式の球対称解の減衰評価 重力項のない場合に、圧縮性オイラー方程式の球対称解の減衰評価を導出した。球対称解に対しては、減衰評価はあまり知られていないように思われる。初期値がある条件を満たせば、圧力の重み付きの積分が減衰することを示した。 まず、近似解に対してこのような減衰評価を導出し、その後その収束先である弱解に対しても同様な減衰評価が成り立つ事を示した。 3.半導体の流体力学モデルの定常解の一意性 定常解の一意性は、ある制限の下では示されていた。それに対して、ある状況下では、その制限が不要であることを発見した。
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