2007 Fiscal Year Annual Research Report
高速駆動・高耐久性を有するハイバーブランチゲルの創製
Project/Area Number |
19850005
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
原 雄介 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (90452135)
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Keywords | 高分子ゲル / 球状高分子 / 高速応答 / アクチュエーター / センサー / デンドリマー / PEG / 脱水縮合 |
Research Abstract |
本研究は、ソフト&ウェットな性質を有する高分子ゲルの分子構造を空間的にデザインすることによって、アクチュエーターとしての機能として望まれている高速駆動・高耐久性を実現することを目標とする。申請者はこれまで自律的に膨潤収縮運動を行う高分子ゲルの研究及び、それらの自律歩行型アクチュエーターへの応用展開を図ってきた。しかし、生体と同様にソフト&ウェットな性質を有するゲルアクチュエーターは、応答速度が遅く、繰り返し動作特性(耐久性)が低いことから、実用化を図る上で大きな問題となっていた。このような致命的な欠点を改善するため、本申請では、ゲルの分子構造を空間的にデザインするという新しい着想を用いて、高速・高耐久性を有する新規高分子ゲルアクチュエーターを実現することを目指す。さらに、本提案ゲルの物理化学的諸物性を明らかにすることで、そのメカニズムを明らかとすることも目的としている。ゲルアクチュエーターを繰り返し駆動させると劣化する原因は、ゲル内部で高分子鎖同士がみ合いを起こし、元の状態に復元しないことが原因とされてきた。そこで、ゲル内部に溶媒排出のための流路を分子レベルで確保し、さらに高分子鎖同士の絡み合いを同時に回避することが可能な、球状高分子(デンドリマー)でゲルの骨格を形成させることを目標とした。 (Polyamidoamine)dendrimer(Ethylendiamine Core)と、Bis N-Succinimidyl-(pentaethyene glycol)esterをリン酸バッファー中で反応させることによって、デンドリマーを骨格に持つゲルの合成に成功した。新規に合成したデンドリマーゲルは、アセトン中に浸漬すると高速の収縮挙動をみせた。ゲルの膨潤速度は、合成時のデンドリマー濃度、および架橋剤である直鎖状分子の濃度で、コントロール可能なことが明らかとなった。調整時の濃度を高くするほど応答が鈍くなり、また膨潤収縮率が小さくなることが明らかになった。新規ゲルは、デンドリマー構造によりゲル内部の高分子鎖局所密度分布の差は大きくなるが、アンサンブル平均した高分子鎖の密度は通常のゲルと大きく変化しないため、ゲルの強度の損失が少ないのも特徴の一つである。
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Research Products
(39 results)
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[Presentation] Self-Walking Gel2007
Author(s)
S. Maeda, Y. Hara. R. Yoshida, S. Hashimoto
Organizer
ISSP International Workshop The 7th Gel Symposium(GelSympo 2007)
Place of Presentation
The University of Tokyo
Year and Date
2007-08-06
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