2007 Fiscal Year Annual Research Report
核酸とのコンジュゲーションによる色素会合体調製法の確立
Project/Area Number |
19850006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
樫田 啓 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (30452189)
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Keywords | DNA / 色素 / H会合体 / くし型会合 |
Research Abstract |
DNAは相補鎖と自発的に二重鎖を形成するという超分子として非常に魅力的な性質を有している。本研究ではその超分子性を利用し、数・配向・配列の制御された色素会合体の調製を目指す。色素は会合することで非線形光学効果などの顕著な物性を発現することが知られているが、その会合形態の制御が非常に困難であった。DNAの内部に色素を共有結合を介して導入すれば、数・配向の制御された色素会合体を調製することができる。本年度は色素(メチルレッド)を連続的に導入したDNA同士を二重鎖形成させることで"くし型"会合体の調製を行った。吸収スペクトル測定及びNMR構造解析の結果、"くし型"会合体では色素がらせん軸方向にスタックしたH会合体を形成していることがわかった。一本鎖の状態では色素が平行にスタックすることから、"くし型"会合を利用することで平行型と逆平行型色素会合体を二重鎖形成によって可逆的に制御できることを明らかにした。また、その際色素が分子間スタッキングすることで二重鎖が大きく安定化した。この会合体は従来のスペーサー(1,3-propanediol)を導入した会合体と比べて、CDスペクトルの強度が小さいことから色素がほぼ平行にスタックしていることが分かった。このように、強い励起子相互作用及び大きな二重鎖の安定化を示す色素会合体を調製することができた。更に、異なる色素(メチルレッド及びナフチルレッド)を導入したDNA同士を二重鎖形成させることで複数種の色素によるヘテロ会合体の調製にも成功した。
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