2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19850011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下川 浩輝 Kyoto University, 化学研究所, 助教 (70447928)
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Keywords | 蛍光色素 / ミトコンドリア / 外膜 / スクリーニング / 合成化合物 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目的は、合成化合物ライブラリーのスクリーニングから発見した蛍光色素である9B8のオルガネラ選択性を明らかにして、新規の蛍光色素として開発することである。 申請者は平成19年度の実験において9B8のターゲットタンパク質としてミトコンドリア外膜に存在するSLC25A5というタンパク質を同定した。平成20年度では9B8の各種類縁体を合成して化合物の構造活性相関を行うとともにさらに効率よくミトコンドリア外膜を染色する化合物の発見を目指した。 まず、9B8のキシレン環をアニリン環に置換した類縁体を合成して局在性を調べた。その結果、これらの類縁体は9B8と同様の局在性を示すことがわかった。 次に、9B8のβ-ケトスルフィド部位がミトコンドリアに存在する酵素によって、酸化あるいは還元のような代謝を受けて反応性に富んだ反応中間体を生成してターゲットタンパク質と結合するのであろうと考えた。そこで、類縁体2〜6を合成してその細胞内の局在性を調べた。その結果、これらの類縁体はすべて局在性を示さなかった。これらの実験結果から、9B8がターゲットタンパク質と共有結合を介して結合するためにはβ-ケトスルフィド部位が極めて重要である事がわかった。 さらに、これらの研究の最中に、9B8は何らかの構造変化を受けて、開港物質へと変化し、この生成物がミトコンドリア外膜を蛍光に染色する本体の化合物であることがわかってきた。そこでこの本体の構造を調べた結果、β-ケトスルフィド部位が9B8の持つシアノ基に求核攻撃して巻き込んだ化合物が染色物質の本体であることがわかった。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Wrenchnolol Derivative Optimized for Gene Activation in Cells2009
Author(s)
Jung, D., Shimogawa, H., Kwon, Y., Mao, Q., Sato, S., Kamisuki, S., Kigoshi, H., Uesugi, M
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Journal Title
J. Am. Chem. Soc. 131(13)
Pages: 4774-4782
Peer Reviewed