2007 Fiscal Year Annual Research Report
コンパクトディスク型マイクロチップを用いるマイクロ生化学分析システムの開発と応用
Project/Area Number |
19850017
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中嶋 秀 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (10432858)
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Keywords | μTAS / Lab-on-a-chip / マイクロチップ / 化学センサ / バイオセンサ / オンサイト測定 / 表面プラズモン共鳴 / CD |
Research Abstract |
本研究は、コンパクトディスク(CD)上に、試薬と試料の液だめおよび分離・検出を行うマイクロチャネルを作製し、ポンプやバルブなどの可動部なしにCDの回転による遠心力を利用して試薬と試料をマイクロチャネル内に導入し、試料中の各成分をマイクロチャネル内壁に固定した種々のレセプタータンパク質との相互作用により分離した後、表面プラズモン共鳴現象を利用して検出する、真にポータブルなマイクロ生化学分析システムを開発するものである。 本年度は、コンパクトディスク型マイクロチップとその回転装置を開発し、チップ上リザーバーからの溶液の流動開始とコンパクトディスクの回転速度の関係について検討した。また、熱流体解析ソフトウェアFLUENT6.2を用いて、シミュレーションによる理論的検討もあわせて行った。これにより、ディスクの回転数を変化させることによりリザーバーからの溶液の流動を制御できることを理論と実験の両面から明らかにすることができた。一方、表面プラズモン共鳴センサの光学系については、グレーティング方式の光学系について検討し、コンパクトディスク上へのセンサの搭載の可能性が得られた。また、センサチップ上の微小領域への抗体の固定化方法については、光架橋剤を利用する位置選択的固定化法を開発し、表面プラズモン共鳴センサによるIgAとIgGの二成分同時免疫測定に成功した。また、分析対象としてメチルパラチオンや2,4-ジクロロフェノキシ酢酸などの残留農薬の測定法を確立した。さらに、センサの高感度化のために、タンパク質重合酵素を利用する方法について検討し、期待される結果が得られつつある。 以上のように、平成19年度はコンパクトディスク型マイクロチップを用いるマイクロ生化学分析システムの個々の要素技術を確立することができた。
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Research Products
(16 results)