Research Abstract |
金属のみの骨格からなるメソポーラス金属は,高い表面積や規則的な細孔配列などの一般的なメソポーラス物質の特徴に加え,その材料自体の持つ金属としての触媒特性や高い電気伝導性を有しており,新たな触媒材料や電極材料として大いに期待できる. 本研究課題では,リオトロピック液晶から直接合成されるメソポーラス金属を中心に,組成,構造,組成の制御に着目し,様々なメソポーラス金属の合成に成功した. 特に,微細な凹凸部へ高い表面積を持ち,規則的な細孔が配列したメソポーラス金属を均一に埋め込むことができれば,メソポーラス金属を反応場に利用する小型センサー,小型リアクターなど,新たな電子デバイスの創出に繋がる.しかし,従来法では鋳型となるリオトロピック液晶の粘度が非常に高いために,微細なパターンの部位には塗布することが不可能であった.そこで,この鋳型である液晶を作成するプロセスに着目し,揮発性の溶媒にて希釈した前駆溶液をあらかじめ作製し,微細部位へ毛細管現象を利用してこの溶液を充填させた.溶媒の揮発後,液晶を微細空間に均一に形成させることができる.あとは,通常の電解析出法や化学還元法を適用し,微細空間でメソポーラス金属を作製する.これらを利用することにより,メソスケールよりひと回り大きいスケールで形態を多様化させることにより,階層構造体の構築や電子デバイスへの搭載などが可能になった.
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