2007 Fiscal Year Annual Research Report
縮環式立体保護基を用いたケイ素不飽和化学種オリゴマー群の合成および物性の解明
Project/Area Number |
19850032
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 克規 The Institute of Physical and Chemical Research, 機能性有機元素化学特別研究ユニット, 研究員 (60455350)
|
Keywords | ハロゲン置換ジシレン / 縮環型立体保護基 / 共役系ジシレン / フェニル置換ジシレン / ジブロモジシレン / PPV / ポリエン / オリゴマー |
Research Abstract |
本研究は機能性共役系ジシレンオリゴマーの応用へむけた合成法の開発および構造、物性の比較を目標としている。初年度である平成19年度は、合成法の開発において重要な中間体となるハロゲン置換ジシレンの合成について主に研究を行った。その結果、目的のジブロモジシレンの合成および単離を達成した。さらにこのジブロモジシレンから目標とするジシレンオリゴマーの合成法の開発に向けた反応についてもあわせて研究を行った。 出発原料として縮環型保護基をもつトリヒドロシランを用いて、縮環型保護基の置換したトリブロモシランを合成した。このトリブロモシランの還元的縮合反応において条件の検討を行い、目的の縮環型立体保護基を持つジブロモジシレンの合成および単離に成功した。このジブロモジシレンの官能基化により効率的なオリゴマー合成法の開発ができると期待される。そこで次にジブロモジシレンの官能基化について研究を行った。その結果としてジブロモジシレンとフェニルリチウムとの反応によるジシレン上での選択的なフェニル化反応を見出した。この反応によりジブロモジシレンからフェニル基および臭素がそれぞれ置換したジシレンを合成、単離することに成功した。本年度に合成したジブロモジシレンおよびフェニル基および臭素を置換基とするジシレンは、ジシレンオリゴマーの合成においてそれぞれ中央部および末端となる骨格である。これらの合成は今後のオリゴマー化に向けて重要な成果である。
|
Research Products
(5 results)