2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19850033
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
丹羽 一樹 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, セルエンジニアリング研究部門, 研究員 (30443211)
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Keywords | 生理活性 / 酵素 / 進化 / バイオテクノロジー / 生体機能利用 |
Research Abstract |
初年度は、ホタルルシフェリン生合成におけるアシルCoAチオエステラーゼの働きを評価するために、ヒトACOT8遺伝子および大腸菌TESA遺伝子によるリコンビナント発現系を構築した。本年度はこれを用いて、その生化学的特性を調べ、実際に生合成活性すなわちルシフェリルCoA加水分解活性が認められた。以上のことから、大腸菌あるいはヒトの細胞内では、恒常的に発現しているこれらの酵素の働きにより、ホタルルシフェリンを前駆体であるCHBTより合成することが可能であることが明らかとなった。実際に、ルシフェラーゼを遺伝市導入したヒト培養細胞において、ルシフェリンを投与することなく、前駆体を投与するのみで発光が認められた。 これらの酵素と相同性の高い遺伝子をホタルからクローニングすることを試みたが、遺伝子の単離には至らなかった。これは、ホタルにおけるアシルCoAチオエステラーゼが他の生物とは大きく異なる配列を有しているためと考えられる。今後は、ホタルの発現遺伝子ライブラリーを構築し、発光を指標としてスクリーニングすることを考えている。昨年度作成したACOT8、TESA発現ベクターは適切なポジティブコントロールとして活用できる。 更に、生合成経路の新しい応用の可能性、すなわち、ルシフェリンを使用しないルシフェラーゼアッセイ法、新規システイン定量法の構築を行った。これについては、現在論文を投稿中である。
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