2007 Fiscal Year Annual Research Report
反射板を用いたPDE用デトネーション開始機構に関する研究
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19860002
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
脇田 督司 Kyushu Institute of Technology, 工学部, 博士研究員 (80451441)
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Keywords | パルスデトネーションエンジン / 超音速燃焼 / デトネーション / 水素-空気混合気 / ドライバーガス過供給 / 反射板 |
Research Abstract |
革新的な次世代型宇宙往還機用のエンジンであるパルスデトネーションエンジン(PDE)において、エアーブリージングモードにおけるドライバーガス使用量の削減が課題である。本研究では、従来のプリデトネータを用いたデトネーションイニシエータに対し、プリデトネータ出口に反射板を設置し、且つドライバーガスをプリデトネータから過供給するという2つの方法を同時に用いて、ドライバーガス使用量を大幅に削減可能であることを実験により実証した。水素-酸素混合気をドライバーガスとして、水素・空気混合気にデトネーションを開始させる場合、プリデトネータのみを用いる従来の方法ではプリデトネータ直径は130mm必要である。これに対し、ドライバーガス過供給を行なうことによりその直径を20mmに削減することが可能である、この場合主燃焼器に対して60mmドライバーガスを過供給する必要がある。これに対しプリデトネータ出口に反射板を設置すると、プリデトネータ直径10mmにすることが出来る。プリデトネータに使用するドライバーガス量は断面積に大きく依存し、反射板を使用しない場合に比べて最低でも1/4に削減できることが示された。また主燃焼器の水素-空気混合気に対してデトネーションの開始を成功させるためには反射板前方で円筒デトネーション波が形成され、且つその円筒波が主燃焼器側壁において強いマッハ反射を起こすことが必要であることが示唆された。円筒デトネーション波を形成するためには反射板をプリデトネータから10mmの位置に設置し、且つ過供給距離を10mmとる必要がある。しかし、それだけでは燃焼器側壁において強いドーナツ状衝撃波が形成されないため、最低でも更に20mmの過供給が必要であることが分かった。しかしながら、反射板を用いない場合の過供給量が60mmであるので、過供給量も1/2に削減できることが実証された。
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