2007 Fiscal Year Annual Research Report
小動物のための超音波計測を融合した超高分解能血流解析手法の開発
Project/Area Number |
19860008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
船本 健一 Tohoku University, 流体科学研究所, 教育研究支援者 (70451630)
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Keywords | 生物・生体工学 / 流体工学 / 超音波計測 / 融合シミュレーション / 血行力学 / 微小流路 / ポリビニルアルコール / 音響特性 |
Research Abstract |
動物実験による血管内皮の遺伝子発現の様子や病態の経時的変化と、血行力学の正確かつ詳細な情報を比較することができれば、循環器系疾患の機序が明らかになり、より高精度な診断方法や予防方法を確立できる。本研究では、小動物の血管内の血流場を再現するため、超音波計測結果と数値シミュレーション結果の間の誤差をフィードバックしながら計算を行う、小動物の血流の超音波計測融合シミュレーション手法を開発する。 本年度は、本手法の妥当性の検証のための微小流路実験システムを構築した。特に、流路モデル材料に関し、PIV計測を行うことを考慮に入れ、透明性を有するポリビニルアルコールハイドロゲル(PVA-H)について検討を行った。PVA-Hは、含水率が高いため超音波を通し易く、生体組織を模擬するには、音響特性(音速および減衰率)を調整する必要があった。そこで、音響特性計測システムを構築し、PVA-HにおけるPVAの配合割合や、溶媒中の水とジメチルスルホキシド(DMSO)の比率を様々に変化させて音響特性を計測した。その結果、溶液に対するPVAの割合を10wt%、溶媒中のDMSOの割合を約98mol%とした場合に、音響特性を生体の値に近づけることができた。また、作動流体に関しても、粘度および粒子サイズが小動物の血液に近く、超音波計測時に実際の血液に類似した画像を提供できるものを選定した。 さらに、超音波計測画像を解析して得られる断面内の速度ベクトルと、それに対応する計算結果を比較して得られる誤差をフィードバックする、超音波計測融合シミュレーションのプログラムを作成し、直円管内の層流の再現を題材に数値実験を行った。超音波計測融合シミュレーションでは、上流境界速度条件に誤差を含む場合でも、フィードバックの適用により、時間の進行に伴い計算結果を基準とする解に収束させ、計算精度が向上することを確認した。
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Research Products
(1 results)