2008 Fiscal Year Annual Research Report
小動物のための超音波計測を融合した超高分解能血流解析手法の開発
Project/Area Number |
19860008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
船本 健一 Tohoku University, 流体科学研究所, 助教 (70451630)
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Keywords | 生物・生体工学 / 流体工学 / 計測融合シミュレーション / 血行力学 / 超音波計測 / 微小流路 / ポリビニルアルコール / 音響特性 |
Research Abstract |
動物実験において、血管内皮上の遺伝子発現や病態の経時的変化と血行力学の情報を比較できれば、循環器系疾患の機序が明らかになり、より高度な診断方法や予防方法の確立に繋がる。本研究では、小動物の血管内の血流場を再現するため、超音波PIV計測結果と計算結果の間の誤差をフィードバックしながら計算を行う超音波計測融合シミュレーション手法を開発する。 本年度は、本手法の有用性の検証を行うために、微小流路実験システムを用いて流動実験を行った。まず、前年度に引き続き、透明かつ生体軟組織に近い音響特性を有し、生体と同様の超音波Bモード画像を提供する流路の作成を行った。ポリビニルアルコール(PVA)ゲルにおいて、PVAの配合割合を10wt%、溶媒中のジメチルスルポキシド(DMSO)の割合を約98mol%とし、超音波散乱体としてガラスビーズを2.9wt%の割合で混合することにより、目的とする流路を作成することができた。流動実験では、第一段階として、通常の配合のPVAゲルを用いて直径2mmの直円管流路を作成し、内部に擬似血液の定常流を流して超音波Bモード計測を行った。得られた時系列の超音波Bモード画像を用いてPIV計測を実行し、計測断面上の2次元の速度場を算出した。さらに、複数断面上の計測結果を用いて超音波計測融合シミュレーションを実行した。それら超音波PIV計測結果や超音波計測融合シミュレーションの計算結果を直円管内流れの理論解と比較し、精度について検証した。超音波PIV計測は画像両端近傍において計測精度が悪かった。一方、超音波計測融合シミュレーションは、上流境界速度条件として一様平行流を与えた誤差を含む場合でも、フィードバック領域およびその下流域では良好な計算精度で発達層流を再現できた。ここで、通常の数値シミュレーションでも発達層流が得られたが、フィードバックの効果により流れ場はより早く発達した。
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Research Products
(3 results)