2007 Fiscal Year Annual Research Report
超音波計測および計算力学解析による脈波伝搬に半う血蟷壁の運動に関する研究
Project/Area Number |
19860011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福井 智宏 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (00451542)
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Keywords | 脈波伝搬 |
Research Abstract |
左心室の収縮に伴う血管壁の振動の解析は,血液循環系を知る上で重要である.本研究では,血管壁の径方向ひずみに関する計算解析および,軸方向の高精度なin vivo振動計測を目指した,予備水槽実験(in vitro実験)を行った. 1.径方向ひずみ計算解析 圧力波の伝搬に伴い,血管は微小な振動(拡張・収縮)を繰り返す.このとき血管径および血管壁厚の微小な変化は,血管壁の局所的な力学特性を推定する上で重要なパラメータとなる.従来の研究では,内圧と血管壁の径方向ひずみとの関係から,巨視的に血管壁の力学特性の評価を行ってきたが,本研究ではより局所的な力学特性分布を調べるために,有限要素法による詳細な解析を行った.その結果,血管内腔が幾何学的に一様ではない場合(例えば,狭窄などによる),内圧の負荷に伴い,血管の軸方向にも変位が生じることから,これまでの1次元近似式では評価することができない,複雑なひずみ分布を確認することができた. 2.軸方向変位計測 血管壁の拡張・収縮運動に伴い,血管壁は軸方向にも振動する.この血管壁の軸方向の振動は,血管壁面せん断応力に影響を与える可能性があるため,循環系を考察する上で重要であり,詳細な解析が求められる.本研究では,血管の軸方向振動を模擬したゴムチューブ水槽実験を行った.超音波プローブとゴムチューブとの間に相対運動を発生させるために,高速リニアステージを使用した.また運動解析にはMATLABを用いた.ゴムチューブの相対運動は,超音波ビームに対して直交しているため,ビーム間隔による解像度の制限がある。この問題を解決するために,ビーム間の複素線形補間を試みた.これにより,対象物の移動速度に応じた補間本数や関心領域の大きさなどのパラメータを決定していく.
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