Research Abstract |
申請者は"柔軟な反射膜と光てこの原理を利用した, 詳細な接触, 変形情報を取得可能な触覚センサの開発"を研究目的とした. 本センサの構成要素である1. センサ自身の構成, 2. 得られる情報の光学的解析, 3. センサ試作に基づく検証を進めることで, センサのもつ特性を最大限に活かせる構成手法について検討した. はじめに, センサ自身の構成として, シミュレーションおよび実験を通じて. 硬軟2層のセンサ構造にすることにより, 角度変位を拡大可能なことを明らかにした. 手順としては, 構造の異なるセンサモデルを作成し, 有限要素法シミュレーションにより, 角度変位の大きさの違いについて定量的に検証した. その結果, 上層が下層に比して硬いセンサ構成をとることで, 同じ力入力に対して比較的大きな角度変位が得られることがわかった. また, センサの高速化のため, 他デバイスの組み合わせとして, パターンとカメラを用いる代わりにLEDとPDを用いる構成を検討した. カメラの代わりにPDを用いることで, 高速なセンサ応答が期待されることから, PDを用いたセンサにおける応答特性について実験的に検証した. 結果, LEDを用いた反射型触覚センサは50CHz程度の振動を定量化できること, 測定対象の表面荒さをPD出力の分散から推定できることを示した. そして, センサの特性を最大限に活かすため, 微小変位の検出可能性を探ることを目的とし, 普通紙のような極めて薄い対象を計測する際に必要となるセンサ構造の特性についてシミュレーションを通じて検証した. これより, カメラとPD, LEDを併用することで, 利用するセンサユニットの時空間分布と, センサの構造の持つ意味が反射型触覚センサと人間の触覚において極めて類似した利用形態を実現できることを示した.
|