2007 Fiscal Year Annual Research Report
最密充填(GCP)金属問化合物Co_3Xの相安定性に関する研究
Project/Area Number |
19860013
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大森 俊洋 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (60451530)
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Keywords | 相安定性 / 金属間化合物 / Co合金 / 状態図 / GCP相 |
Research Abstract |
本研究は、Co基合金のCo_3X型GCP相を中心とした相安定性に関する研究を行うことを目的とし、本年度の成果は以下の通りである。 本年度はCo-W基合金に着目して行い、Co-W-Ga合金においてL1_2相が存在することを初めて明らかにした。このCo-W-Ga系において三元化合物L1_2相(γ'相)が存在することはCo-W-A1合金と類似した相安定性に基づくものと考えられるが、その安定性はCo-W-A1系に比較し低く、900℃では準安定であることも判明した。さらに本合金系における実験平衡状態図の作成を開始させた。 また、Co-W-Ta系における900℃から1300℃までの等温断面図を作成した。本合金系では、Co-W2元系で存在するD0_19構造のχ相がTaを添加することでより高温まで存在するようになることが明らかとなり、さらには準安定のL1_2相(γ'相)が存在することも判明した。χ相は1100℃においても存在が確認され、γ'相の固溶温度はCo-5W-2.5Ta合金において884℃であった。χ相、γ'相はいずれもCo_3X型の3:1の比で表される金属間化合物であり、両相の準安定から安定状態への変化は相安定性の観点から大変興味深い結果が得られたと言える。また、Co-W-Ta合金のビッカース硬度を調査した結果、800℃時効により最も硬度が高く、589Hvの硬さが得られた。これはCo-W-Al合金やNi基超合金Waspaloyよりも100Hv以上高い硬度である。
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